バレンタインデーに愛の告白をするのはわかるけど、チョコレートを贈り合うなんて誰が決めたんだ?
バレンタインデーの思い出は、残念な思い出しかないわたしは、夫や息子がもらってきたチョコレートの処分係りを担当しております。
今年の業務は、チョコサンドクッキー的なものと、オレンジの入ったチョコと2個のみ処分。ダイエット中につき、不幸中の幸いとでもいいましょうか。
ハイエナのような母親ではありますが、息子はチョコが嫌いなので相互的にWIN-WINの関係を保っているつもりです。
そんな息子にかあちゃんは何を贈ったかといいますと、回っていない寿司です。ロンリープアボーイの相方もつれて。
回っていない寿司と言いましたが、食べ放題のきづなすしでございます。
r.gnavi.co.jpうまい寿司と酒が進み、話題はバレンタインの思い出に。
かあちゃんが昔、バレンタインデーでチョコを渡すの渡せないのとやっていたころは、友チョコという概念はあまりなく、本命に1チョコ入魂していた気がします。
学校に持っていき、いつ渡すのかに悩みます。朝イチ渡してしまったら、その後、顔を合わせられなくなるし、放課後なんて一瞬の隙に下校でもされた日にはもうアウト。
どこで渡すのかも悩みます。教室で渡したら気まずくなるし、呼び出した時点でばれバレだし、机の中に忍ばせようものなら、忍んだまま明日になるかもしれません。
かあちゃんは、結局めんどくさくなって、渡さず持ち帰って自分で食べるタイプでした。
そんな風に女子だけが、やきもきしていたと思っていたのですが、少年たちは少年たちでもいろいろあったことを教えてくれました。
まず、朝。いつも「おはよう」と言って教室に入るのに、その日ばかりは大きな声だと張り切ってると思われるし、小さな声だと緊張してると思われる。言わなければ言わないで意識しすぎと思われるかもしれないと悩み、不自然になってしまうのだそう。
休み時間にぼーっとしていると、たまたまその目線の先に女子がいると、期待していると思われる。でも急に視線を変えたら逆に不自然。かといって窓の外をずーっと見ているとスカシテル感じになり目のやり場に困るのだとか。
結局したくもないのにトイレに行く羽目になり、そこには似たような男子が、ワラワラと集まってしまうとのこと。
相方は、小学生の時はたくさんもらっていたタイプだったらしく、トイレで「もらった?」「もらわない」と確認しあっている男子を、心の中で密かに「ザマーっ」と思っていたとのだとか。それが今では、あの時のチョコどこ行っちゃったんだろうね、と笑います。
わたしも、お寿司をたらふく食べて膨れ上がったお腹をさすりながら「ダイエットもどこ行っちゃたんだろうね」というと、二人が真顔で返してくれました。
「あいつらよー、すぐどっか行っちゃうんだ。逃亡癖もたいがいにしてほしいわ」
ゲラゲラ笑いながら、しあわせなひと時を過ごした夕暮れの新宿なのでした。
チョコレートに、愛はあるんかい?と言いながら食べた寿司でしたが、そこに愛のようなものがなかったとしても「しあわせ」はあったように思えたバレンタイン2021なのでした。
じゃっ!