Watana Bear's journey of life

旅するしろくま

24歳の息子と48歳のオカンの親子喧嘩は犬も食わない

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 夫婦喧嘩は犬も食わないというけれど、イヌ畜生は何でも食いやがるって誰が決めたんだい?犬だって食いものを選ぶにきまってるってもんで。

 いやいや、おまえさんよ。これは夫婦喧嘩じゃーなくって親子喧嘩ってやつなんだが、コイツも不味いのかい?

 

ことの発端。

 ランニングから帰宅した息子と、夜更けだというのについつい話し込んでしまいました。遅くなった理由が、ランニングやトレーニングに熱が入ったのではなく、友人と話し込んでいたとのことで、めずらしくその話題の内容を語りだしたからです。

 ルームシェアをしている友人が、賃貸契約更新まで1年もない状態で、更新せずに部屋を出ていくと言い出したらしく、その二人の間に入ったという話。

 その友人たちに限らず、息子の周りには、経済的に負担を減らすためか、ルームシェアをしている人が多いようです。大人の事情(金とか時間とか手続きとか現実とか)を考えずに、目先の損得が先走ってルームシェアを突然解消しようとする人たちの話を教えてくれました。

 

 いろんな人のエピソードの背景に、いろんな家庭の事情を垣間見ることができました。親が裕福すぎて一風変わったエピソードを持っている人たちの話になりました。同じ親としては、その財源はオトンなのかオカンなのかが気になりますが、息子はそこまで興味本位に話を掘り下げることはしなかったといいます。

オカン、地雷を踏む

 私の中にある、裕福な親に対する羨望と、妬みなどの煩悩が程よくブレンドされ、しかも深夜&酒というスパイスが加わって、うっかり息子の地雷を踏んでしまいました。「笑い」を作ることを仕事にしている息子にとって、ストーリーとかネタとか創作に関する価値観を押し付けることはタブーだとわかっていても、ついつい火のついたマッチを放り投げてしまったのです。

 その友人の、変わったエピソードの背景にいる「オトン」と「オカン」というキャラクターをなぜ掘り下げないのかと、疑問をぶつけてしまいます。息子にとってその質問は、勝手なわたしの価値観の押し付けに過ぎないわけで、逆鱗に触れるのは当然といえば当然です。

 

 息子の「論破王、屁理屈大魔神のスイッチ」が押されてしまったら、もう私は黙って聞くしかありません。

更に爆破スイッチを押すオカン

 彼の話を要約すると、わたしが息子にマウントを取っていることへの抗議と、息子の友人やその周囲の人たちへの上から目線を指摘する内容です。

 その友人の財源がオトンならば、オトンの職業が気になるところ。でも実はオカンが起業しており、祖母も不動産経営をしているとのことで、実業家一家、もしくは逆玉の輿か?!といった反応をしてしまいました。息子は、その「オトンに対するギャクタマ発言」にも憤りを感じたご様子。

 うっかり地雷を踏んだことは反省します。見も知らぬオトンを侮辱するような発言したことも懺悔します。でも、息子が感じる「マウント」に関しては、息子が心のどこかに私に対して負い目を感じていて、卑屈になっているだけのことなのでは?と思ったわけで。

どんな喧嘩だって犬は食わない

 ケンカするほど無駄なことはありません。なので「自立していないことに負い目を感じてるからじゃない?」なんてことは1ミリも口にはしません。でも、態度に出てしまい火に油を注ぐ結果になります。

 私は、息子がこの話を最終的にどのように纏めるのか、ワクワクしてしまいました。ニヤニヤしながら、じっと息子を見守ります。客観的に見ても、挑発的な態度になっていることは、わかります。我ながら自分でも性格悪いなと思いつつも、ニヤニヤは止まりません。

 もしかしたら、論破されていることに、若干悔しさを感じていたのかもしれません。でも、それに対して息子がどう反応するのかを観察したいという思いが上まわっていました。やっぱり性格わるいっすね。

 

 最終的に、私のニヤついた顔でじっと見ていたことに「キモイ」と言い放ち、息子は不穏な空気を残してフェイドアウト

この親にこの子あり

 息子のことを「相変わらずめんどくせーな、こいつ」と思いながらも、きっと息子も「やばいくらいにめんどくせー親だ」と思ったに違いありません。

 いや、それ以前に「親」とも思われていないのかもしれません。

 息子が二十歳を過ぎた時、子育ては卒業しよう、息子のことを一人の人間として対等に接しようと思いました。ところが、一緒に住んでいる以上どこかで「親としてのマウント」を根底に抱えてしまい、それが態度に出るのかもしれません。

 

 他人から見たら、結局「どっちもどっち」なわけですよ。

 

 そろそろわたしたちも、ルームシェアを解消する計画を立てた方がいいのでは?と思ったのでした。

 

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