Watana Bear's journey of life

旅するしろくま

人間だけが持っている性能「笑う」#493

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笑う。動詞であるにもかかわらず「行為」とか「行動」とせずに「性能」と表現したのは、笑うことが優れているという意味合いを込めたかったから。

 いつからか自分の「喜怒哀楽」は「笑う」と「泣く」の2分化しかないような気がしていた。楽しい時に笑うのはわかるけれど、嬉しい時にも笑う。でも、嬉しすぎると泣く。しかも悲しい時にも泣く上に、怒りが込み上げると泣いてしまう。

 赤子の感情表現と一緒である。

 人の感情は4種類だけでなく、たくさんあることは頭ではわかる。日本語特有の感情にまつわる単語があるように、日本人の感情は他国の人より豊かなのかもしれない。でも、わたしの表現方法は「泣く」と「笑う」の2パターン。

 なんで泣くの?と自分でも思うし、他人から言われることもある。

 最近コロナ禍のせいか、友人たちとのLINEグループの話題がネガティブな話題になりがちだったので「人生で1番笑った出来事(思い出せない場合は直近でも可)」というお題を投下した。

 すぐに返事はなかった。あったとしても「思い出せないから宿題にする」だったりだ。
 もちろん何かを集計するために投下したわけではないので、返事を期待していたわけではない。むしろ、「1番笑ったこと?!」「え?最近笑ってなくない?いつ笑ったっけ?」と自分が笑ったことにフォーカスして欲しくて投下したのだ。

 もちろん芸人並みの「笑い」を期待しているわけでもない。ただ各々の思考を「笑ったこと」に向かうことだけを期待していた。

せっかくお題を投下したのだから、自分が先陣切って答えるべきなのだろうが、「腹を抱えて笑った」「寝る直前まで思い出し笑いが止まらなかった」ということがあったことだけは思い出せるのだが、どんなことに笑ったのかが思い出せない。

 笑ったことにフォーカスし、自分結構笑ってますやん♪と思えたものの、出来事を思い出せない自分に対し「健忘」という暗黒物質が脳内に侵入し始めることになった。

 ふと、みんなもそうなのかな?と心配になった。良かれと思って投下したお題が、結果ネガティブな方へと着地させることになってしまってはいないだろうか。

 返事がないのが良い便り、とは言い難い状態だけれども、お題を投下してほっこりしようなんて小癪なことをせず、「思い出せない自分」を笑い飛ばせるメンタルを手に入れるべきだ。

 せっかく人間だけが手にした性能は、活かしていかないといつしか錆びついてしまうだろう。

 人は楽しいから笑うんじゃない、笑うから楽しくなるんだという脳科学者の言うことを信じて。

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