この長い長い下り坂を君を自転車の後ろに乗せてはいけません。

　今日から10月です。9月は体感的に長かったのか？短かったのか？と言われれば短かく感じた方なのですが、ある視点からすると長かった。

　9/18からが特に長かった。

チャリ買うことになった🚴‍♀️

秋はサイクリングやほーやほーする🚴‍♀️
朝活にチャリ活するのもええなぁ🚴‍♀️ pic.twitter.com/kXbcWuf6fR
— わたなべあちこ (@clara_stoopman) 2020年9月18日

　急遽チャリを買うことになった。ママチャリではなく「ちょっとスポーティーなタイプ」を買うことになり、しかも購入後自宅まで乗ったきり一度も乗れていない。その理由は、さらにさかのぼることになる。

　通勤に自転車を使っている息子。高校生のころ、変速機なしのママチャリで毎日片道20キロかけて通学していた彼は、今ではスポーティーなスピード確保の自転車を愛用し、都内の半分以上は余裕でチャリを利用する。

　ヘビーに使用していると当然タイヤの空気のヘリも早く、マメに補充することになる。ある夜、駐輪場から我が家まで往復するのが億劫だったらしく、見知らぬ人の置き空気入れを無断で拝借した。

　夜22時過ぎの話である。明かりが不十分な駐輪場で、慣れない「フランス式の空気入れ」を借りてしまったのである。一般に日本人が使う空気入れは「イギリス式」で、空気がたまると手ごたえを感じるタイプのもの。「フランス式」は空気圧をメモリで見ながら入れるタイプになるので、どんなに入れても手ごたえは感じないのである。

　駐輪場の明かりはセンサー式。しばらくその場にいて明かりが消えてしまったのか、それともその明かりが届かない場所だったのかは定かじゃない。メモリがよく見えない状態でスコスコと空気を送り、爆破事件を起こした。

　バフウウウウウウウゥン！

　大きな爆破音に、マンション中の窓ガラスが開く音がして、思わず彼は身を隠したそうだ。一瞬耳が聞こえなくなるほどの圧、そして爆音。完全に不審者である。悪さをしたといえば、他人の空気入れを無断で拝借し騒音を出しただけなのだが、大なり小なり悪さである。罪悪感と羞恥心から身を隠したと思われる。

　チューブ破損だけならパンク修理で済む話だが、爆破の威力でホイールもゆがんでしまい手押しでさえ動かせない状態。これは、また修理代が高くつく。以前、何度か修理に出しては自転車屋さんに『手ごろな安価な自転車に修理代かけるより、ちゃんとしたものを購入した方がいいのでは？』と言われていたこともあり、このたび勇気を出して「ちゃんとしたもの」を注文する決意をしたらしい。

　すぐに自転車を注文しに行ったのだが、納車は10月8日の予定だった。コロナ禍の影響で自転車ユーザーが増えているらしい。

　次の日から、近場であろうとなんだろうと電車で通うことになったのだが、路線が無意味に遠回りな場所や、乗り換えが不便だと帰りも遅くなる。２，３日で弱音を上げ始めた。こちらも、慣れないことをしている状態で連絡もなしに遅くなると、若干不安になり、ついつい親心＋子供のためといいつつ自分のためじゃん？という、私の悪い癖が出始める。

　朝散歩が停滞してモヤモヤしている自分に、新しい活動手段を手に入れるチャンスでもあると思い、わたしの自転車購入＆納車までレンタルを提案したのである。

　ママチャリはいやだ。

　「子供のためといいつつ自分のためじゃん？」の部分を見透かされている。彼も交渉上手になったものだ（笑）。50を目前にして「女乗りのできないチャリ」に乗れるものだろうかという不安と、デザインも若干女性らしさを残していただかないと困るという、お互いの譲れないpointを主張しながら、妥協pointを話し合えるよう一緒に買いに行くことになった。

　そして、購入したのが、オレンジ色の「夕焼け号」である。

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