息子に捧げたら返却された名言集「サムライカアサン」より
「新しい失敗は何回してもいいと思うねん 失敗やまちがいなんて誰にもあるもん 本当の失敗は それを繰り返す事やと思うねん」
誰もが失敗なんてしたくない、そう思います。
自分の選択が正しかったのかなんてわからないのに、自分が後悔してきたことを口うるさく押しつけがましく息子に言ってしまう。同じ失敗をしてほしくないがゆえなのですが。
ある時、息子はこう返しました。
「母ちゃんは一回経験して学んだからそういうんだろ?オレ、これから学ぶんだから。しかも同じことして同じ結果とは限らねぇし、たとえ同じ結果になったとしてもそれを失敗だと思わないかもしれないし」
息子はは「失敗すること」よりも「経験をしないこと」のほうが嫌だといいます。
しかも失敗に対する捉え方が、人それぞれ違うことをわかっていました。その言葉を聞いて、社会にもまれていくであろう息子のことを、今後、口を出すことなく見守る覚悟ができました。
母ちゃん時代のバイブル「サムライカアサン」
冒頭のセリフは漫画、サムライカアサンが言ったセリフです。 この漫画の主人公「サムライカアサン」こと「伊佐木よい子」の言葉に、何度救われたかわかりません。
何度も読み返し何度も泣く。それでもこのサムライカアサンのように、強く潔く大きく暖かくはなれませんでした。きっとそれは、私自身がサムライカアサンの大きな愛を、まだまだ必要としていたからかもしれません。
サムライカアサンの息子、高校2年生のタケシは反抗期を迎えます。それでもサムライカアサンは、愛情もって叱ります。
あんたみたいなアホな子をなあ・・・お母ちゃんは欲しくて作ったんやで!
ギャグのようなそのひたむきな母性と、ほろっと泣けるハートフルな人間模様。つらくて閉じこもりそうになったときに、そっと読んで心を洗い流す全8巻。
伊佐木よい子の「笑いの名言」と「息子に届けたい名言」をリストアップしました。
笑いの名言集
「一つは具入り 一つは具なし さてどっち!!遊び心は大切やでぇ~なんてゆーの、あれやあれ…アジアンルーレットや」
「テレただけ アホかアホかも スキのうち よい子(前向きの俳句)」
「(ふぁいふぁい)どんな返事よ パンダの名前か」
「つり橋をたたいて渡る」
「昔々おじいさんは、山にしばかれに行きました」
「乳で悩む 青春やなぁ そのうちだれも悩まなくなるのよ しぼむわ 垂れるわ あきらめなしゃーない」
「いつまでも あると思うな 親と乳 よい子」
「子供は風の子、大人は火野正平の子や」
「お母ちゃん子離れしてるもん! これは子ジャレやもん 子とジャレてるだけの 子ジャレやもん」
「10回クイズっていうやつ? みんなでやってん あれおもしろいなぁ たけしにも試したるわ 好きって10回言うてみて (スキ×10) あぁ幸せ」
「伊達に長く生きてるみたいです」
息子に届けたい名言集
「私ねぇ…嬉しかったの…たけしがちゃんと自分で好きになった人と楽しそうにしてた事が…誰にも教わってないのに人を愛するという感情を知っている事が…うれしかったのよ」
「笑えるって幸せやもんねぇ」
「我が子の成長を喜ぶのは親の役目やで!」
「夢を持つっていうことはもう自分だけの道や そこからは自分の力でなんとかしなさい」
「頑張ってる人は 必ず誰かが見てるから 大丈夫 負けたらアカンのよ」
「大人になってほしいのと子供でいてほしいのと 複雑やねん母性は」
「夢は誰にも邪魔できひん 好きにやりなさい」
「(夢をかなえるの)死ぬまでかかってもええんちゃう? 死ぬまで夢見られるやん」
「素直わすれて 損せんときや」
「人生は『自信』と『思い込み』で なんとかなるもんやで」
「愚痴は不幸は呼んでも 幸せは呼ばへんのよ」
「閉ざすきっかけも人 開くきっかけも人 だとしてもその扉を出るかどうかは 自分次第」
「生きてたら 失敗も 後悔も 反省も 挫折もあるよ でも あったらあかんのか? 一回失敗したらもう終わりなんか? 一回の失敗を その人のすべてやと思ったらあかん」
「人が楽しそうなんはうれしいやん あんたもそんな仕事目指すんやもんなぁ… お母ちゃんは素敵な仕事やと思ってる」
「たけし大勢っていうのは一人一人の集まりなんやで? だからこそ一人に伝える気持ちが一番大事なことと違う?」
「現実なんて 自分で見て感じなわからんでしょうが!」
「その出来事がカベになったときに それをどうこえるかがその人の人生になるんやとお母ちゃんは思うねん 無理やと思うこともあるけど 自分の道には自分が超えなアカン壁しか現れへんから 絶対超えれるねん それと向き合う その強さを幸せと呼ぶんと違うかしら」
「環境が人を作るんじゃないで 人が環境を作るんやで 自分がいる場所をいいものにしたかったら 胸張れるいい自分でおり 環境を変えたかったら自分が変わるねん そしたらみんな変わっていくよ!がんばり!」
「成長するという事は 自分の弱さや無力さを直視する先にあるかもしれんね」
「あんた 警察に行ってきなさい 自分で生きていくと決めて家を出たんやから 自分でやった事は自分でケツふきなさい でも そのあとで… どこにも行き場所なくなったら帰っておいで お母ちゃん一緒に悩んで生きたげる お母ちゃんができることは そのあとの事やから!」
「悩みとか苦手は人を成長させるから」
「何故生きるというのか 何故生まれるというのか 考えるんじゃない 感じるんだ」
「大人になっても涙が出るのは 心が逃げた時間まで 戻るからかもしれません」
「涙はね 一生懸命生きてると出るよね」
「(一生懸命やっててもつらいことがいっぱいあるのってなんなんかな)私はねそういう人は不幸なんではなくて 人生が豊かなんだと思うから 収穫の多い人生なのですわ」
「きれいを見つけられる人が一番きれいなのよ」
「私は 人の我慢の上に成り立ってる事を笑うのは あざ笑いのように感じてしまってね でもそれも立派な笑いの種類なのだとしたら…うまく笑えなくてごめんね」
「(結局どうしたらいいんかわからん)そらわからんわ それは幸せを人と比べてるからやもん たけしの幸せはたけしの人生の上にしかないねんで たけしは人に勝たんでもいいの 負けなかったらいい その場の空気とか人の目に負けなかったらいいの 自分が」
「起こってしまった事はしょうがないで! そんな時こそ人間には知恵が必要なんやで!」
「自分の心と環境は同じやから 必ず何か似た人 何か同じ人が集まるもんやで その中でも自分の心をいいも悪いも突く人は 自分に何かを教えてくれる人 今のたけしに必要な縁なんやわきっと」
「社会に出たらいろんなつらい事はある それいちいち逃げてたら周りもみんな逃げる人ばっかりになるよ 心は伝染するんやで」
「毒やと思っていたこと…薬やったと思えたらええなぁ全部」
「わからん世界なんやから いっぱい失敗と経験させてもらいなさい」
サムライカアサンからの卒業
この物語は、たけしが17歳からお笑い芸人の養成所を卒業するまでの約3年間を描いています。養成所の卒業公演までが描かれているのですが、その後たけしが事務所に所属したかまでは描かれていません。
彼女のこずえちゃんにプロポーズをして「1年待って」と断られますが、その6年後を描いたストーリー*1もあるそうで。
おかげさまで、わが息子も念願の芸人となり、事務所に片足を突っ込ませていただくことになりました。息子にとってはもう、夢ではなく現実=仕事となりました。
わたしは、今までのように夢を応援するのとはまた違った覚悟が必要になると思います。
なので、エールの意を込めて、全8巻を息子に押し付けようとしたのですが、返却されました。とりあえずは相方に託して、サムライカアサンから卒業することにいたしました。この記事は、その記念の文集のようなものです。
いつか、息子にも届きますように。
*1:※続編「サムライカアサンプラス」掲載誌替え(Cocohana)伊佐木家の6年後が舞台(孫あり)。